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くらげびより

Author:くらげびより
社会人6年目に突入する2014年の夏から、青年海外協力隊員としてカンボジアのコンポンチュナン市に派遣。
現地では、生徒会活動の活性化のために中学校で運動会などの青少年活動を行うことになっています。

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昇段試験

台風が接近している。
明日直撃するかもしれない。
大きな台風の図がテレビに出ていた。
外は激しい風が吹いている。
不謹慎と言われるかも知れないが、自分はそんな、街がいつもと違う様子でうごめいているのが楽しい。
大きな風がとても気持ち良く、空も飛べそうな気がしてくるのだ。

とは言っても、明日台風に直撃されると試験が中止になってしまうから困る。
明日は、少林寺拳法の弐段昇格考査がある。
少林寺拳法を始めて2年と少ししかたっていないのに、もう弐段になれるのか。(落ちるかもしれないけど
少林寺拳法の試験は技術だけでなく、学科試験もあるし、当日に持参さなければならない“宿題”もある。

少林寺拳法の6つの特徴はけっこう好きだ。

 「拳禅一如」  こころとからだのバランスが大切。
 「力愛不二」  力の伴わない正義は無力だ。正義の伴わない力は暴力だ。
 「不殺活人」  人を殺さず生かし、自分も生かされる。
 「剛柔一体」  剛法だけでも柔法だけでもだめ。
 「守主攻従」  自分からは決して攻撃しない。
 「組手主体」  相手がいるから自分が強くなれる。


なぜ、柔道でも剣道でも、空手でもボクシングでもなく、“少林寺拳法”を始めようと思ったのだろう。

中学、高校で灰谷健次郎さんの『天の瞳』という小説にハマっていたことを思い出す。
主人公の倫太郎たちは少林寺拳法をやっていた。
自分はその中で、「半ばは自己の幸せを、半ばは他人(ヒト)の幸せを」という考え方に「いいナ…」と思ったのだ。
灰谷さんの書く小説に出てくる登場人物は、みーんな“いい人”だ。
ある意味理想論であり、理想の世界でしかないようにも見える。
しかし、自分はそんな、人のことを大切にできる、あたたかい世界になれば良いのになぁ、と思うのだ。


天の瞳 幼年編〈1〉 天の瞳 幼年編〈1〉
灰谷 健次郎 (1999/06)
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